悪徳業者に備えて12

平和な一週間

Cを丁重に断ってからとというもの、それからは飛び込みの営業の訪問はなくなった。月曜から金曜まで5日間中4日間、3人のセールスマンが尋ねてくるなんて考えてみなくても異常な事態である。とにかく、彼らは来なくなった。そして、瓦にも異常は無いらしい。どうやら諦めてくれたらしい。

明らかに人を騙そうとしている人と会話をしなくていいのは何と楽なことか。心に防御網を張らないというのは何と穏やかなことか。ここから先は推測だが、彼らの性質が悪いことは全員、悪意が無いということである。いや、悪意に満ち満ちているのだが、それがもう生活の一部というか、そういう思想と行動がナチュラルになりすぎて何も感じなくなってしまっているのである。もはや、騙すという感覚さえないのだろう。それが彼らにとってはフツーなのだ。

人間、環境というか立ち位置によって、いわゆる「フツー」は変わってくる。彼らにとってみれば、無知な人を騙して金を巻き上げるのはフツーであるし、極めて日常的なことなのだ。彼らがフツーにご飯を食べ、フツーに生活するためには、フツーに誰か騙してを金を得るのがフツーなのだ。最初は異常なことであっても、慣れてしまえばフツーになってしまうのである。話はズレるが、だから会社ぐるみの食品偽装とか衛生問題とか起きるのである。誤魔化すことが会社にとってフツーだから。誰の言葉は忘れたか「世の中には現実的な凡庸と非現実的な凡庸しか存在しない」は名言である。